夕映えのトマトスープ

インターネットの地層に埋まる化石。

もう既に、

吐く時の苦しさとか忘れてしまいましたー

1時間も経ってないのにね

すぐに忘れちゃうから繰り返すんだろうね

どーしてこんなに忘れっぽくなったのかしら


今日なんて自炊してめちゃ美味しい(しかもヘルシー)なスープを食べて満腹になったんだけどね、なんかこれじゃ足りないような気がして、お腹はいっぱいなのにお菓子を食べまくらないと気が済まない気がして、アイスを一個食べたら止まらなくなってまさしくフードファイターのように必死に口に詰め込んでいました。

口の中が高カロリーなものでふさがった時の、心まで満たされるような感覚はなんなのでしょうか。一種の陶酔、、

チョコアイス、チョコケーキ、チョコクッキー。今日はチョコ縛りでいこうか。「こんなに食べたら鼻血が出るよ」昔聞いた声。「だめじゃない、甘いものばっかり食べて」背徳感。たまらなくなる。

食パンの袋を開け、取り出して、マヨネーズをバカみたいに絞る。こんな高カロリーな物食べていいんだろうか。罪悪感。たまらない。1枚、2枚、もう1枚だけ食べとこっか。そしてまたアイス。チョコ。口中の色がコロコロと移り変わり、麻痺してくる。お米も食べておこう。時間がない。素手で掴んで口に放り込み、直接マヨネーズと醤油をかける。うん、うん、食べ物の味。食べ物の味。

脂肪と糖でできたものは舌が喜ぶ味がして、ハイスピードで噛み砕くとなんだかスポーツでもしてるみたいで、一気に喉を通過する感覚はまさに至福。自分の体内に吸い込まれていく多量の物体。満たされる。

そしてトイレに駆け込む。今度は飲み込んだ物体を排出する。右手の指を喉の奥の奥に突っ込んで、胃のあたりを左の拳で押す。リズム感が大事。1、2、3。はい。ああ、喉が焼ける。目からも鼻からも水が出てくる。涙ではなく胃液なのだろうか。気持ち悪くなるポイントを探すのにも慣れた。単純作業のようにそこを刺激して、1、2、はい。この時間だけは苦しい。涙に擬態した液体が後悔を誘う。

陶製の器がさっきまで私の一部であった食物たちで塞がっていく。満たされてゆく。そして流す。ズゴゴゴと凄い音を立てて吸い込まれていく物体たち。達成感。満たされる。

口を濯いで、歯を磨く。「吐き切れたのだろうか」という不安が突如襲いかかる。柔らかい液体と化したチョコレートや溶けたアイスクリームが、まだ胃の奥の方に沈んでるんじゃないか?マヨネーズは食道の壁にへばりついてるんじゃないか?無我夢中に口に放り込んだ物体たち、すべて排出できた気がしない。ああ、食べなければよかった。どうして満腹になった時点でやめられなかったのか。時すでに遅し。いつものパターン。なぜか安堵感。私はやはり私だ。私は私でしかなく何一つ変化などしていない。私はいつも同じことを繰り返すからそのままで、ずっとこのままでいられるのだ。バカだなあ。よかった。これが自分。

ごめんなさい、製造会社さん。農家さん。でも買った時点で私のものでしょう。人としておかしい。なぜ罪悪感を感じなくなったのか。慣れって怖い。ごめんなさい、お母さん。でも知ってます。あなたは買うことがストレス発散だから、私が食べて処理するのを望んでるんです。なんてね。都合の良い解釈。

いつまで続くんだろうか。不意に怖くなってくる。現状が続けばいいとさっき祈っていなかったっけ。やめたい。やめたくない。やめられない?やめられる?やめたくない。やめたい…

そして思考回路をストップさせる。いつも通りの生活に戻ろっか。整腸剤を飲んで、さあこれで元どおり。

え?何もなかったでしょ?

何食わぬ顔をして母を出迎える。おかえりー。いつも通り。平常。狂ってる。異常。これが普通。


いつまで続けるんだろうか。